【発達心理学】感受性の強い親と愛着−メアリー・エインズワース
「感受性の強い母親は、子どもの欲求をすぐに察知し適切に応えることで、安心できる愛着関係を作り出す」
1950年代にアメリカの発達心理学者のメアリー・エインズワースは、母親の感受性によって愛着の方は決まるといいました。
彼女は愛着には3つの型があるといいました。
「安心を求めての愛着」
「不安ー回避」
「不安ー抵抗」
です。
彼女の実験では、母親と1歳の子どもを部屋に放置し、部屋に見知らぬ人が入ってくる前後での母子の相互作用を観察しました。特に、母親が戻ってくるときの子どもの反応に注目しました。
70%の子どもが、母親が出ていくと不安になるけれども、母親が必要なら手の届く距離にいる限り嬉しそうに振る舞いました。
15%の子どもは、母親が出て行っても影響がほぼなく、母親でも見知らぬ人でも構ってもらえればくつろいだ態度を示しました。
残り15%は、母親がそばにいても見知らぬ人の存在に警戒心を示し母親が出て行くと強度の不安を示し怒りも示しましたが、母親が戻って接触しようとするときも抵抗しました。
これらの違いは、母親の感受性の違いによるといいます。
一方で、赤ちゃんの反応はどれか一つの型に当てはまるものではないという批判もあります。そして文化の違いも考慮する必要があります。1990年代に日本で行われた研究では「不安ー抵抗」型の赤ちゃんが多く、これは日本の赤ちゃんの方がアメリカの赤ちゃんほど母親と分離されることが少ないからという理由も考えられます。
どのような接し方が子どもにとって良い成長になるのか、考え続けていきたいですね。
メアリー・エインズワース
アメリカの心理学者
愛着理論で知られる。