1行で深い思想へ

いつもの世界の見え方が少し変わる。そんな力が色んな学問の思想に隠されていると思います。皆さんの生活のヒントになるようなアイデアを短く分かりやすくお伝えしていきます。

【発達心理学】子どもの「やりたい」気持ちが学びのスイッチ、自分でやってみることで理解できる- ジャン・ピアジェ

「子どものやりたい気持ちが学習の要であり、教育者の仕事は、子どもの興味関心、探究心、創造力、工夫、発明を後押しし、それによって新しいことをできる能力を持った人間を育てること」 スイス人の心理学者ピアジェは、年齢の異なる子どもたちの間で、時間…

【政治】個人主義が社会の基盤-ジョン・スチュアート・ミル

「個人の自由を守ることが社会の 基盤」 「多数派の専制」 選挙で選ばれた政府は多数派の意見を吸い上げたものであり、多数派が少数派を抑圧するような事態が起こらないとも限らない。 選挙で選ばれた政府の干渉であっても有害な結果をもたらす可能性がある…

【政治】自由を守らない法律や政府には抵抗すべき-ジョン・ロック(1632-1704年)

「政府が必要なのは、人の自由を保護するために中立的に裁く人が必要だからであり、法がないところに自由はなく、逆に人民の権利を奪おうとする統治は奴隷制に等しく不当な政府に対して人は抵抗権を持つ」 イギリスのジョンロックは、政府の権力と機能は制限…

【心理学】内向型、外向型-カール・ユング (Carl Jung)

内向型、外向型という言葉を聞いたことがありますか? ユングはパーソナリティについて研究し、内向型、外向型という用語を紹介しました。 外向型は外部の世界を好む 内向型は、自分自身の内部の世界を好む。 あらゆる人は両方の傾向があります。 外部や内部…

【認知心理学】マジカルナンバー7 プラスマイナス2- ジョージ・アーミテージ・ミラー

「膨大な数の情報を記憶するときは、7つまでパターン化すると処理できる」 私たちが限られた時間内に情報を記憶し活用できる能力を、作業記憶と言います。 作業記憶では、7つの情報までが処理できると言います。 一度に記憶できる情報は7つまでということで…

【認知心理学】意味記憶とエピソード記憶- エンデル・タルヴィング

「物忘れを防ぐには、情報のコード化が有効」 心理学者のタルヴィングは、記憶には2種類あることを見つけました。 意味記憶は、知識(事実とデータ)に基づいた記憶 エピソード記憶は、経験(出来事と会話)に基づいた記憶。 エピソード記憶を促す合図は、…

【心理療法】苦しみの意味が見出された時、苦しみではなくなる- ヴィクトール・フランクル

「苦しみは、生きる中で愛・創造行為を通して、その意味を見出された時に苦しみではなくなる」 人間が苦しみを耐え抜くための2つの強さ。 それは決断の能力と 態度の自由の能力。 ウィーン出身のフランクルは、1942年に家族と強制収容所に連行されたことを機…

【心理療法】苦しみは人生の一部-ロロ・メイ

「苦しみや悲しみは人生で避けて通れない自然な一部であり、どんな意味を持つのかを考えることに意味がある」 自分にとって居心地が悪い・不快だと感じられた経験を、遠ざけも否定もせずに、あらゆる経験を同等に受け入れる。 それが大事なのだと、アメリカ…

【認知心理学】幸せと社交的さの関係-マーティン・セリグマン

「他者との協力や社交的な出来事を楽しむことは、知的あるいは感情的に深い満足を与えるものではなくとも、本当に幸福になるために不可欠な部分だ」 幸せな人生とは何か。 アメリカの心理学者セリグマンは、3つの幸福な人生を唱えました。 喜ばしい人生- 可…

【認知心理学】フローとは何か-ミハイ・チクセントミハイ

「フロー体験で注意が先鋭化し時間を忘れて集中し落ち着いている時、その活動はスキルにマッチしている」 フロー(流れ)体験 それは、どんな職業の人であれ、楽しめるかうまくやれる活動に没頭している時に持つ感覚だと言います。 フロー概念を作ったミハイ…

【心理療法】回復力とはどこからくるのか-ボリス・シリュルニック

「トラウマから回復する力はひとりぼっちでいるより相互作用によって困難の中にも意味を見出すことで生まれる、その一方で、ダメージはレッテルを貼られることで大きくなる。」 トラウマのあと、立ち直れる人とそうでない人はなにが違うのか。 フランス生ま…

【心理療法】「すべき」の圧力- カレン・ホーナイ

「ーすべきは、現実と理想の自己との乖離、挫折感、自己蔑視に結びつく」 どんな時、自分の最善の潜在能力を実現できずに終わってしまうか。 どんな時に、自分で決定した信念ではなく、有毒な環境から内面化された信念にしたがって振舞っているか。 ドイツの…

生きづらさはどこから来るのか-ミシェル・フーコー

「実存-自分らしくあること-を突き詰めれば、一人ひとりが芸術作品」 今日はNHKでミシェル・フーコーについてわかりやすく取り上げられていたので、それを参考にまとめてみようと思います。 なぜ、絵画は芸術作品で、人間は芸術作品ではないのか。 そう問い…

【発達心理学】子どもは親に借りを持たない?- ブルーノ・ベッテルハイム

「共同体で子どもを育てるメリットは、子ども同士でうまく関係を作る能力が付いて、大人になってから仕事で成功すること」 最良のしつけの核は密接な母子関係だという前提に疑問を抱く人はいませんか? ベッテルハイムはその一人でした。 イスラエルのキブツ…

教育の目標は子どもに自分の資質を探求する自由を認めること-フランソワーズ・ドルト

「教育者の役割とは、どのように自身を導いて行けば良いのかを子どもたちに教えることにある。」 フランスの精神分析者のドルトは自身の困難な幼年期を振り返って、 子どもの欲望を解放することで心の病は防げると話します。 伝統的な教育は服従と模倣で子ど…

【心理療法】父親の無言のルール?-ギー・コルノー

「父親は強い印象を残すために息子への賞賛を抑制する」 男性同士の情緒的コミュニケーション 男性の世代間での親密な会話は難しいのでしょうか? フランス出身のカナダの分析家、コルノーは 男性は往往にして、息子に賞賛や愛着、承認を与えるのが下手だと…

【発達心理学】感受性の強い親と愛着−メアリー・エインズワース

「感受性の強い母親は、子どもの欲求をすぐに察知し適切に応えることで、安心できる愛着関係を作り出す」 1950年代にアメリカの発達心理学者のメアリー・エインズワースは、母親の感受性によって愛着の方は決まるといいました。 彼女は愛着には3つの型がある…

【発達心理学】幼児期の親の愛はこころの健康に重要−ジョン・ボウルビィ

『最初の2年間の母子の愛着が、ゆりかごから墓場まで一生、人間を形作る』 子どもの人生の生後2年間、最初の安心できる愛着がどれほど大事なのか。 イギリスの発達心理学者のジョン・ボウルビィは、母の愛に注目しました。 幼児期の母の愛は、対人関係の原…